ハバナ朝の光景~中高年の健康を守るコミュニティ体操

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ハバナの朝といえば?

海沿いのマレコン通りにずらりと並ぶ、釣り師たち。

ミニスカートからのびる、花柄などの模様をあしらった網タイツがセクシーな出勤途中のお姉さんたち。

エンジ、黄褐色、青の制服で通学する小中高の生徒の群れ…などが目を楽しませてくれます。

 

加えて、キューバならではの朝の光景といえば、コミュニティ単位でおこなわれる「体操の時間」もそのひとつ。日本の夏休みといえば、子どもたちのラジオ体操が朝の風物詩ですが、キューバは中高年の健康維持を目的に、平日朝、週3回ほど、スポーツリーダーのもとに市民が集まって、ここかしこで、運動をしているのです。

メンタルヘルスにも効く

マレコン通りの向かいにある、セントロ・ハバナ地区の広場にも、20人ほどの40代~70代の男女が集まっていました。

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「スワーヴェー!」(ゆっくりとやさしい動きで!)

 

穏やかなかけ声をかけるリーダーとともに、身体を動かすひとりひとりの面持ちは真剣そのもの。弾けるようなリズムのサルサなど、ラテンダンスのイメージからすると、やや意外なくらい、ゆるりとしたムーブメントで、音楽なし、リズムもなし。じっくりと、丁寧に、朝の空気をたっぷり吸い込みながら、太極拳のようなムーブメントで身体を動かします。

 

「身体の各部分に働きかけるのはもちろん、メンタルの落ち着きにもすごくいいんですよ」

 

この男性リーダーは、引き締まった身体つきで、顔立ちはアジア系のような、アフリカ系のような、知性あふれる雰囲気。観光客の私向かって、懇切に「体操」にはどんな要素が融合されているのか、身体やメンタルのどのようなところに効果があるのかを、身体の各箇所を示しながら、私に時間をかけて説明してくれたのですが、何しろスペイン語で専門用語のオンパレードだったため、途中からちんぷんかんぷんになってしまいました。

ただ、週3回の体操の内容が日によって違うことや、太極拳のみならず、バトンを使ったエクササイズなども取り入れ、さまざまな動きを融合させていることはわかりました。リーダーの口調からは、真剣さが伝わってきます。ほかの公園でも、組み込まれている要素は共通していたので、全体で「標準化」されているのでしょう。

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予防医学の一環として

2017年の5月当時では、マレコン通りのアントニオ・マセオ像のある広場では月曜日、水曜日、金曜日の朝8時~9時ぐらいまで、新市街の米国大使館の近くの公園では朝10時近くまでと、体操の時間はまちまちでした。

 

私が見学しながら勝手に写真を撮っていたら、どの場所でも、リーダーがにこやかに話しかけてきて、「一緒にどうぞ」と言ってくれました。住民でもないのに、フレンドリーに声をかけてくれるのです。ハバナの観光の合間に、早起きをしてセントロ・ハバナや新市街の公園で、朝の体操に参加してみてはいかがでしょうか。気分爽快、地元の人たちとも仲良くなれて、一石二鳥ですね!

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こうした朝の体操は、予防医学に重きを置く、キューバの医療政策の一環としておこなわれているそうです。キューバならではの医療システムについて、7月に東京と京都で、日本とキューバの統合医療のシンポジウムが開かれたので、その様子を続編としてリポートします。

Author Profile

斉藤 真紀子
斉藤 真紀子
日本経済新聞米州総局(ニューヨーク)金融記者、朝日新聞出版「AERA English」編集、週刊誌「AERA」専属記者を経てフリー。共著に「お客様はぬいぐるみ」(飛鳥新社)。趣味はラテン音楽&ダンス、カポエイラ(格闘技)
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