ハバナで「エルネスト」上映会~キューバ人の反応は?

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ハバナ新市街の映画館。映画「エルネスト」が上映されたのは、近くにある「インファンタ」のシアター

ハバナ新市街の映画館。映画「エルネスト」が上映されたのは、近くにある「インファンタ」のシアター

「座席はいっぱい。立ち見の人、床に座って見ている人で劇場はあふれかえり、映画を観終わった後は、みんなが立ち上がって拍手をしていました。大成功でした!」

映画「エルネスト」が12月20日夜(キューバ時間)、ハバナ新市街の映画館で上映され、そのもようを現地在住の宮本眞樹子さんが伝えてくださいました。

チェ・ゲバラとともにボリビアで戦った日系人の医学生、フレディ前村氏の生き様を描く、映画「エルネスト」は日本で10月に上映が始まり、話題を集めました。日本とキューバの合作という、珍しい作品。撮影のほとんどがキューバ国内でおこなわれ、一筋縄ではいかないロケの現場を、どのようなチームワークで乗り越えていったのか。キューバ倶楽部のトークイベントにご登壇くださった、阪本順治監督のお話は情熱にあふれ、聴く人の心を大きく揺さぶる、貴重な内容でした。

ボリビアで、フレディ前村氏のご家族や親せきを前に上映された後、次はいよいよキューバへ。今回は1日のみの特別上映ですが、今後の上映に向けて、準備を進められているとのこと。

遠路サンティアゴ・デ・クーバから若いキューバ人女性も

 

冒頭のご報告をくださった宮本さんは、「エルネスト」を日本で鑑賞後、キューバ倶楽部のトークイベントにもご参加され、「キューバの人たちと一緒に映画を観たい」という思いで、情報を集めたそうです。制作に携わったキューバのテレビ機構、RTV COMERCIALの事務所を訪ね、各部署をめぐり、ようやく映画館と上映日時をつきとめたとのこと。

ほんとうは招待状を持っている人のみ入場できる、特別上映会だったのですが、招待状がなくても入ることができたそうです。

「映画が終わったあとは、キューバの観客が拍手をしながら、『フェリシダデス(おめでとう)!』と監督や私にまで声をかけてくれました」(宮本さん)

上映会には、宮本さんのお友だちで「日本オタク」でもある、キューバ人女性が、イスラ・デ・フベントゥ(青年の島=宮本さんいわく、距離は東京と大島ぐらいだが、交通の便はずっとよくない)ところから、このためにハバナに駆けつけていて、会場で声をかけられたり、やはり日本に興味がある青年がキューバの中央部、サンクティ・スピリトゥスから時間をかけて来ていたり、そしてなんと、東端の都市、ハバナから遠いサンティアゴ・デ・クーバからも若い女性がはるばる訪れるなど、大変なイベントだったもよう。

上映後も、阪本監督は大喜びのキューバの人たちから、サインや写真撮影を求められ、大忙しだったとのこと。

娯楽が少ないキューバでは、映画はぐっと人びとの生活の身近にあります。作品や映画監督に対する尊敬の念も強い。ですから、宮本さんは、今回監督とお話をしたときに、「ぜひ『顔』、『闇の子どもたち』、『この世の外へ クラブ進駐軍』などの監督の作品もキューバで上映してください」とお願いしたそうです。

キューバでもっとも読まれている新聞、「Granma」でも、「エルネスト」の上映がニュースになっており、「キューバの若い人にぜひ観てほしい」という阪本監督のコメントも掲載されていました。

来年はキューバで、多くの人が「エルネスト」を鑑賞できますように。

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斉藤 真紀子
斉藤 真紀子
日本経済新聞米州総局(ニューヨーク)金融記者、朝日新聞出版「AERA English」編集、週刊誌「AERA」専属記者を経てフリー。共著に「お客様はぬいぐるみ」(飛鳥新社)。趣味はラテン音楽&ダンス、カポエイラ(格闘技)
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