アートで交流、際立つ個性、ALBA諸国の絵画展

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テーマも、表現方法も、アーティストの際立つ個性にあふれていました。

キューバ大使館で開かれている、ALBA(ラテンアメリカの地域協力機構)諸国のアート展覧会。

作品としての魅力はもちろん、アーティストの出身国の背景にある文化や社会にもふれることができます。

7月28日の初日は、会場でベネズエラやキューバの大使に作品の魅力について、聞くことができました。

作品にこめられた、社会背景やウィット

絵画からあふれ出るパワーや色鮮やかさが印象に残ったのは、キューバの絵画でした。

ハバナ海沿いのマレコン通りといえば、いつまでも続く一本道。しかし、絵画はぐるぐると迷路のように入り組んでいます。

「複雑な状況を抱える、キューバの今の状況を表しています」

こう解説してくれたのは、ミゲル・アンヘル・ラミレス駐日キューバ大使です。

椅子が炎に包まれている「キューバは暑い」という絵画は、「キューバらしいウィットがきいている」と話していました。

ミゲル・アンヘル・ラミレス駐日キューバ大使

ハバナ新市街の坂道を歩く人たちをモチーフにした、こちらの絵画も、人びとの表情にどのような想いがこめられているのか、想像しながら鑑賞しました。

先住民族やラテンアメリカの独立をモチーフに

ベネズエラの作品は素材を含め、独自性のある表現の方法が目立っていました。

19世紀の初め、スペインからラテンアメリカ諸国を独立に導いたシモン・ボリバルをテーマにした絵画は、若いアーティストの作品だそうです。

また、先住民族の文化をモチーフにしたアートもあり、背景についてセイコウ・イシカワ駐日ベネズエラ大使はこう説明していました。

「ベネズエラは30以上の先住民族がいます。憲法(1999年)で定められた権利として、民族の言葉で国家を歌ったり、教育を受けたりすることができ、文化を大切に継承しています」

セイコウ・イシカワ駐日ベネズエラ大使。両親は日系ベネズエラ人

展示会では、ベネズエラ、キューバ、ボリビアからそれぞれ3人のアーティストによる、35点の作品が無料で鑑賞できます。作品の購入も可能です。

ぜひお出かけください。

【ALBAとは】

ALBAは「夜明け」を表す言葉。米州ボリバル同盟ともよばれる、中南米諸国が加盟している政治、経済の国際組織。

2004年ベネズエラのウゴ・チャベス大統領が主導するかたちで、米国主導の新自由主義的な地域統合構想に対抗して発足した。

現在の加盟国はベネズエラ、キューバ、ニカラグア、ドミニカ国、セントビンセントおよびグレナディーン、アンティグア・バーブーダ、セントクリストファー・ネビス、グレナダ、セントルシア。特別招待国は、シリア、ハイチ、スリナム。特別メンバー国はスリナム。

★★★展覧会情報★★★

旅に出よう、アートで地球の裏側へ「ALBA ART EXHIBITION」
日時:7月28日~8月4日 10時~17時
場所:駐日キューバ大使館(都営大江戸線、赤羽橋駅近く)
ベネズエラ、キューバ、ボリビアからそれぞれ3人のアーティスト、35点

 

 

(注)事情により、8月5日に記事の一部を変更いたしました。

Author Profile

斉藤 真紀子
斉藤 真紀子
キューバ倶楽部編集長、ライター。ニューヨークでサルサのレッスンを受けたのをきっかけに、2000年に初めて訪れたキューバが心のふるさとに。
旅をするたびもっと知りたくなるキューバを訪れ、AERA、東洋経済オンライン、TRANSIT、ラティーナ、カモメの本棚、独立メディア塾ほか多数の媒体で記事を執筆。
2015年にキューバの現地の様子や魅力を伝える「キューバ倶楽部」をスタート、旅の情報交換や勉強会、講演会などのイベントも運営。
★キューバのエッセンスを生活に取り入れる日々をnote(https://note.com/makizoo)に綴る。
★Twitter: @cubaclub98 ★ Instagram: @cubaclub98
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