キューバサンドの店「ケボラ アセーレ」にこめた想い

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ケボラ アセーレの正面入り口

「ケボラ アセーレ」はキューバ独特の表現


「ここはハバナ?」と見まがうような、鮮やかな桃色の壁が目をひきます。キューバサンドとシェークをメニューの中心に据え、東京都北区・赤羽に5月にオープンしたこの店の名前は「ケボラ アセーレ(Q'Bola Asere)」。

「キューバ独特のスペイン語で、ケボラ(Que bola?)は「調子はどう?」(英語でHow are you?)、アセーレは友達(スペイン語でamigo)の意味。キューバで、"ケボラ アセーレ?"と、話しかけたら、相手が喜んでくれて、友だちができる。そんな魔法の言葉を覚えてもらえればと思いました」

こう話すのは、店のプロデュースを手がけた、タレントで旅人のコジマサトコさん(愛称TOCOさん)。キューバのカレタブエナ観光大使も務めています。

「キューバに行ってみたいと感じるきっかけになれば」と、着工の途中から、店のコンセプトづくりに関わってきました。

ケボラ アセーレのキューバサンド

さて、キューバサンドが運ばれてきました。ひと口ほおばると、サクっと程よい加減に焼きあがったパンと、口いっぱいに広がる肉のうまみ、そして、えっ、ピリ辛!?

キューバサンドは辛みがないはず。さっそく、店主の香月鋼司(かつき・こうじ)さんに聞いてみました。

ピリ辛の正体は「ハリッサ」という、地中海生まれ、パプリカベースの調味料。食欲をそそる、絶妙な味わいですが、キューバサンドとの組み合わせはこの店のオリジナルだそうです。

注文のときに「マスタード」を選べば、より元来のキューバサンドに近くなるとのこと。肉もビーフ、ポーク、チキンから選ぶことができます。ポークが「もっとも本場らしい」チョイスになります。

店主がこだわったポイント

香月さんがキューバサンドの店を開きたいと願ったきっかけは、映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」(2014年)。実話をもとにしたコメディで、キューバサンドが登場します。

もともと焼肉店のオーナーでもある香月さん。肉へのこだわりはもちろん、キューバサンドの推しポイントは「食べやすさ」。「具や汁がしたたることなく、口に入れられるのが魅力」とのこと。

なるほど、心置きなくかぶりついていたら、あっという間に平らげてしまいました。

本場の味は砂糖がたっぷり?


日本でも今や人気のキューバサンドは、実のところ、アメリカ合衆国が発祥の地です。こちらの記事でも触れましたが、キューバでよく食されているシンプルなサンドイッチを、カリカリにプレスしたパン、ハムやポーク、調味料とともに進化させたホットサンドがキューバサンドなのです。

キューバサンド以外にも、バラエティに富んだメニューがそろう「ケボラ アセーレ」ですが、TOCOさんはカクテルのモヒートと、デザートのフランの味わいを本場に近づけるよう、開発に加わりました。

「キューバでは砂糖をたっぷり入れます。モヒートを現地の味にしようとしたら『食事のお供には甘すぎる』と、あいにく採用になりませんでしたが、砂糖を多めにしたキューバスタイルも、裏メニューとしてひそかに提供しています。フランは甘さも口当たりも、キューバ仕込みです」(TOCOさん)

ゆかりの本や写真、グッズが並ぶTOCOさんのキューバコーナー

キューバを感じる店内スペース

キューバを感じられるのは、「味」だけではありません。店内の「キューバコーナー」には、TOCOさんが提供した、キューバゆかりの本、写真、グッズ、お金が並びます。

フィデル・カストロが亡くなったときの号外の新聞。スタンプが所せましと押されているパスポートは、90カ国を旅したTOCOさんならではの貴重な記録。学校の教科書としても使われている、建国の父ホセ・マルティの本・・・。TOCOさんの旅、そしてキューバでの経験がつまった宝物ばかりです。

「イデオロギーが違う、社会主義の国キューバには、怖い国というイメージを持つ人もいるかもしれません。海や車、街の写真などをきっかけに、かっこいい、きれい、面白いと興味を持ってもらえるしかけを考えました」(TOCOさん)

日本でキューバを感じられる「ケボラ アセーレ」。子どもも大人も、店の人とおしゃべりしながら過ごしていて、アットホームながら、旅気分も同時に味わえる空間でした。

 

首都ハバナを歩く、TOCOさん。(写真:本人提供)

 

<お店からのお知らせ>2022年7月30日(土)の夕方からは、ラテンナイト。TOCOさんが一日店長をします。クイズコーナーやサルサ体験の催しものもあるので、お楽しみに!詳細はTOCOさんのInstagramをご覧ください。

【Q’Bola Asere / ケボラ アセーレ】
ホームページはこちら
住所:東京都北区赤羽2丁目19−8 伊澤ビル1F 
電話:03-5939-6061
平日12:00~23:00 / 土日祝12:00~23:00

【コジマサトコ(TOCO)さんの情報はこちらから】
Instagram https://www.instagram.com/kojimasatoko
TikTok https://www.tiktok.com/@kojimasatoko

Author Profile

斉藤 真紀子
斉藤 真紀子
キューバ倶楽部編集長、ライター。ニューヨークでサルサのレッスンを受けたのをきっかけに、2000年に初めて訪れたキューバが心のふるさとに。
旅をするたびもっと知りたくなるキューバを訪れ、AERA、東洋経済オンライン、TRANSIT、ラティーナ、カモメの本棚、独立メディア塾ほか多数の媒体で記事を執筆。
2015年にキューバの現地の様子や魅力を伝える「キューバ倶楽部」をスタート、旅の情報交換や勉強会、講演会などのイベントも運営。
★キューバのエッセンスを生活に取り入れる日々をnote(https://note.com/makizoo)に綴る。
★Twitter: @cubaclub98 ★ Instagram: @cubaclub98
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