進化するキューバのクラシックカー~エアコン据え付け快適空間

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1955年製の米シボレー車。70年近く乗り続けていますが、新品のような外装の輝き

キューバといえば、街を走る、アンティークなアメリカ車が有名ですが…。

実はここまで進化しているのか!!と驚いた話です。

このたび、2023年1月末からキューバに行きました。首都ハバナに国際空港がありますが、今回エア・カナダ航空のトロント~ハバナ便がキャンセルとなったため、バラデロ空港行きに変更しました。

到着後、バラデロ空港から首都ハバナまで、約140キロをこのタクシーで向かいました。

ワイルドな乗り心地だったはずが

キューバのクラシックカーの多くは、キューバ革命(1959年)の前から走っており、修理やメンテナンスを重ねながら、市民の乗り合いタクシーとして活躍しています。

最近は観光客向けのガイド付き市内観光(オープンカーが多い)も増えました。

私もキューバで、乗り合いタクシーやガイド付き市内観光など、クラシックカーに乗ったことがありますが、なかなかワイルドな乗り心地です。

エンジンが大きな音を立てたり、車体が揺れたり、エアコンがなく窓を開けるので風で髪が逆立ちます。

エンジンは日本製、エアコンは中国製

ところが、今回乗った、この車は音は静か、乗り心地もスムーズで、思わず運転手さんに、

「(以前はでこぼこしていた)キューバの道がよくなりましたね」

と言ってしまったほどです。

聞くと、エンジンは三菱のディーゼルエンジン、エアコンは中国製、トランスミッションはアメリカ製部品を使っているとのことです。

車内に流れるキューバ音楽は運転手さんの選曲のようで、カーオーディオにUSB端子が差し込まれていました。

ハンドルの右下にあるのが据え付けたエアコン

こちらが話しかけるたびに減速

運転手のペドロさんは、父親の車を譲り受け、タクシー運転手歴は7年。自動車の整備もすべて自分でしているとのこと。

故障を直したり、メンテナンスしたりするのが大好きなそうで、内装も金色をほどこすなど華やかな空間でした。

サービス精神も豊かで、乗るときにペットボトルの水を手渡してくれたほか、途中のトイレ休憩でコーヒーをごちそうしてくれました。

私が話しかけるたび、走るスピードを落として、顔を少しこちらに向けてじっくり聞き、にこやかに英語で言葉を返してくれます。

 

父親の職業を引き継いで、タクシー運転手歴は7年になるペドロさん

 

ペドロさんのすごさが本当によくわかったのは、帰りに別の運転手さんのクラシックカーで、ハバナからバラデロ空港まで向かったときでした。

ゴーッっと音を立てて猛スピードで走りながら、道路の凹凸でトランポリンのように座席で跳ねてしまい、それはスリリングな道中だったのです。

つまり、「キューバの道がよくなった」のではなく、行きはペドロさんがうまくスピードを調整してくれていたのでした。

 

【プチ旅情報】
バラデロ(Varadero)は「オールインクルーシブ(ホテル宿泊代に食事や食べ物代が含まれている)」のホテルが多い、観光客や地元の人たちのビーチリゾート地。
バラデロ~ハバナ間は、キューバの長距離バス、Viazul(ビアスール)でも行けますが、今回は100ドル(支払いは米ドル、約13,000円)でカーサービスの予約をしました。

Author Profile

斉藤 真紀子
斉藤 真紀子
キューバ倶楽部編集長、ライター。ニューヨークでサルサのレッスンを受けたのをきっかけに、2000年に初めて訪れたキューバが心のふるさとに。
旅をするたびもっと知りたくなるキューバを訪れ、AERA、東洋経済オンライン、TRANSIT、ラティーナ、カモメの本棚、独立メディア塾ほか多数の媒体で記事を執筆。
2015年にキューバの現地の様子や魅力を伝える「キューバ倶楽部」をスタート、旅の情報交換や勉強会、講演会などのイベントも運営。
★キューバのエッセンスを生活に取り入れる日々をnote(https://note.com/makizoo)に綴る。
★Twitter: @cubaclub98 ★ Instagram: @cubaclub98
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