12/22 キューバ倶楽部忘年会~サンティアゴ・デ・クーバ滞在記&2019年を振り返る

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Shibuさんからキューバからのお手製ミニマラカスのプレゼントも(撮影:淡路香織)

2019年12月22日、キューバ倶楽部「忘年会」が下北沢のボデギータで開かれました。満員御礼、たくさんの参加者に方にお集まりいただき、ありがとうございました。 

「サンティアゴ・デ・クーバ滞在記」を映像とともにお話くださったラテンボーカリストのShibuさん、2019年のキューバを振り返るわかりやすい解説をしてくださったトラベル・ボデギータの清野史郎さん、ひとりひとり自己紹介とともにご挨拶くださった参加者の皆様、いつもながら美味しいお食事やドリンクで迎えてくださったレストラン・ボデギータの皆様に心より御礼申し上げます。

「セプテート・オリエンテ」(スクリーンの写真)のバンドリーダーでもあるShibuさん(撮影・坂本航司)

情感たっぷりのメロディと、グルーブ感にあふれるリズムが特徴的でサルサの原型にもなったといわれるキューバの伝統音楽「ソン」。Shibuさんがサルサダンスをきっかけにソンに出あったのは10年ほど前。本場であるキューバ東部の都市、サンティアゴ・デ・クーバでCDのレコーディングもされた経験をたっぷりとお話していただきました。

レコードレーベルを立ち上げた日本人の方の紹介で、サンティアゴ・デ・クーバのミュージシャンの紹介を受け、2014年にCDのレコーディングが実現したShibuさん。スペイン語の発音や感情表現の難しさ、声も楽器演奏もパワフルな現地のミュージシャンとの共演、歌詞の背景を「理解」するだけでなく、さらにどう「自分のものにするか」という道のりなど、現地の方との生き生きとしたやりとりも交えて、お話くださいました。

サンティアゴ・デ・クーバのペーニャ(集会)という名前の音楽会で、Shibuさんが歌っている様子を映像で拝見したのですが、豊かな声量でのびのびと歌われている様子に魅了されてしまいました。

キューバのみならず世界情勢もわかりやすく解説する清野史郎さん(撮影:坂本航司)

後半のキューバの「2019年を振り返る」は清野史郎さんに解説をいただき、憲法改正やアメリカの経済制裁、今後の観光の見通しや、日本からみてキューバ社会の仕組みが参考になる点についてもお伺いしました。

キューバの社会や経済システムが変化していくなかで、キューバが大切にしてきたのは「社会正義」であり、誰もが公平に「チャンスを得られる社会」であること。革命後からの社会正義を保ちながら、時代の変化にどう変化していくかが語られました。

アメリカの経済制裁は第三国とキューバとのビジネスの関係をも制限する厳しいものであるため、かなり影響は大きいとのことです。現在は選挙対策としての「キューバ経済制裁」の側面もあるので、トランプ大統領が再選された場合、経済制裁がどうなるかは「未知数」ということでした。

観光については飛行機の国内線が減便している様子や新しい鉄道についてのお話のほか、キューバ人向けに外貨で買い物ができるショッピングモールがなぜできているのかについても語っていただきました。

他国がキューバから学べることがあるとすれば人間主義(ヒューマニズム)、つまり政策のベースに人間を大切にするという意識があること。アメリカ合衆国に対して劣等感を持つことなく対等な関係で話ができること。そして島国ゆえに気候変動で海水の水位が変化するのは深刻な影響があるため、環境保護に力を入れていることなどを説明されていました。

2020年に大きく国が変化することはないという清野さんの予想ですが、今後もどのような社会変化を目指していくのか、目が離せませんね。

参加者の皆さんからも興味深いエピソードが次々披露された(撮影・坂本航司)

後半はプレゼント企画や、参加者のみなさんからの「キューバとの関わり」をお伺いする機会もあり、それぞれのお話に心を揺さぶられました。音楽、ダンス、写真、医療、歴史、チェ・ゲバラやフィデル・カストロの考え方、史郎さんのお話のファン等々、さまざまな角度からキューバ興味を持たれたり、そして今回のイベントに静岡、滋賀、熊本など各地からいらしていただき、みなさんと交流をさせていただける場を持てたことに大変うれしく思いました。

最後になりましたが、2019年も皆様大変お世話になりました。おかげさまでキューバ倶楽部も4年目となり、たくさんの方からのサポートをいただき、心より御礼申し上げます。

2020年も皆様にとって、ますます素敵な一年になりますように。

Author Profile

斉藤 真紀子
斉藤 真紀子
キューバ倶楽部編集長、ライター。ニューヨークでサルサのレッスンを受けたのをきっかけに、2000年に初めて訪れたキューバが心のふるさとに。
旅をするたびもっと知りたくなるキューバを訪れ、AERA、東洋経済オンライン、TRANSIT、ラティーナ、カモメの本棚、独立メディア塾ほか多数の媒体で記事を執筆。
2015年にキューバの現地の様子や魅力を伝える「キューバ倶楽部」をスタート、旅の情報交換や勉強会、講演会などのイベントも運営。
★キューバのエッセンスを生活に取り入れる日々をnote(https://note.com/makizoo)に綴る。
★Twitter: @cubaclub98 ★ Instagram: @cubaclub98
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