ラウル・カストロはじめ、革命第一世代で要職に就く人たちが、4月に退任を発表しました。革命から62年、ソ連の崩壊から約30年、キューバが節目を迎えています。これからキューバはどうなっていくのか。
「キューバ革命 光と影」をテーマにしたイベントが、4月23日、下北沢ボデギータで開催されました。
ゲストはキューバ音楽に造詣が深い、アオラ・コーポレーションの高橋政資さん、キューバの歴史学を専門とする、早稲田大学法学部准教授の岩村健二郎さん、そして主催はキューバの帰国子女で、トラベルボデギータ代表の清野史郎さんと、キューバ倶楽部の斉藤真紀子(司会)でした。
会場とオンラインで参加してくださったみなさま、万全の感染対策とともにあたたかく迎えてくださった会場のレストランボデギータのみなさま、ありがとうございました。
革命後の62年間は戦時体制
「キューバは(革命後)62年間、戦時体制」と話す清野さん。米国との関係が揺れ動くなかで、そのときどきに対処する政策しか取れなかったキューバの特殊な経済システムと、いまおこなわれている改革の内容をわかりやすく解説しました。こちらの内容はまとめて記事にしたいと思います。
岩村さんは、世界に拡散されているキューバをめぐる「情報」について、バイアス(偏り)がかかっていることがあると説明しました。たとえば米国は外交で、(威圧などの「ハードパワー」ではなく)人びとにとって価値や魅力を持つものに訴える「ソフトパワー」を使うことで、キューバの市民を(思うように)動かそうとする戦略があります。こうした政策がどう影響しているのか、キューバ政府や市民は、こうした情報にどう対応しているのかについて語りました。
高橋さんは、米国マイアミに移住したミュージシャンたちのメッセージやアイデンティティは、単に「反キューバ」や「亡命者」といった言葉でくくられるものではなく、そのときの政治背景やさまざまな要素が影響していることを、実際の作品の例とともに紹介しました。
キューバはいまどういう状況にあるのか、外からわかりにくい部分もあるなか、「このような見方があるのか!」という視点や気付きが多い、貴重な時間となりました。
ゲストのみなさま、ありがとうございました。
ボデギータ・キューバトーク、今後もお楽しみに!
Author Profile
- キューバ倶楽部編集長、ライター。ニューヨークでサルサのレッスンを受けたのをきっかけに、2000年に初めて訪れたキューバが心のふるさとに。
旅をするたびもっと知りたくなるキューバを訪れ、AERA、東洋経済オンライン、TRANSIT、ラティーナ、カモメの本棚、独立メディア塾ほか多数の媒体で記事を執筆。
2015年にキューバの現地の様子や魅力を伝える「キューバ倶楽部」をスタート、旅の情報交換や勉強会、講演会などのイベントも運営。
★キューバのエッセンスを生活に取り入れる日々をnote(https://note.com/makizoo)に綴る。
★Twitter: @cubaclub98 ★ Instagram: @cubaclub98
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