フェイクニュースに注意!!キューバの銀行をめぐるニセ情報拡散中

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「キューバは大丈夫?」

5月16日夜から17日にかけて、キューバ好きの友人たちから、次々と連絡がきました。

聞くと、X(旧Twitter)で、「キューバの銀行システムが破たんした」というニュースが拡散されていました。

(↑この投稿が、日本語でも引用リツリートされ、拡散された)

3年前のセンセーショナルな写真

この投稿の写真は、2021年7月のキューバのデモのときに、拡散されていたもの。根拠のないニュースであることが、一見してわかりました。

とはいえ、キューバは今、数十年に一度といわれる、経済的に困難な状況にあります。

早速キューバ人の知人やキューバに詳しい旅行代理店の方に連絡を取り、現地の様子を聞きました。

<フェイクニュースの内容>
キューバの銀行システムが破綻、市民は朝起きたら銀行の預金がゼロで、ATMで引き出せなくなっている。メディアで全然報じられていない

正しい情報>(現地のキューバ人や、キューバの旅行代理店の話をまとめると・・・)
銀行システムは破たんしていない(民間銀行は破たんするが、国営なので破たんはない
銀行の預金もなくなっていない

とはいえ、このようなニセ情報が出てきた背景として、市民の銀行に対する不信感があるようです。

ATMに5時間待ちも

現地の人によると、2023年から、ATMで引き出すのに長い列ができ、待つのに数時間かかるようになったそうです。

理由として、キューバでインフレがひどいため、現金の流通をおさえるべく、銀行での一か月あたりの引き出し額を制限している。

そのため、銀行にお金を預ける人が少なくなり、各支店が資金不足になっているのです。

デジタル通貨を導入したものの

こうした状況もあり、キューバはデジタル決済を推進していますが、(最近、規制緩和で急激に増えている)民営企業はデジタル通貨を使わず、現金のみでビジネスをしているところが多いそうです。

銀行への信頼がないからとのことです。

大変な状況ではありますが、とりあえずは、Xの情報が「デマだった」と友人たちに説明をしました。

また続報などレポートします。

注:こちらはフェイクニュースについて調べるために、話を聞いてまとめた、17日時点の断片的な情報です。変わり得ることもあります。

首都ハバナのATM(2017年、斉藤真紀子撮影)

 

 

Author Profile

斉藤 真紀子
斉藤 真紀子
キューバ倶楽部編集長、ライター。ニューヨークでサルサのレッスンを受けたのをきっかけに、2000年に初めて訪れたキューバが心のふるさとに。
旅をするたびもっと知りたくなるキューバを訪れ、AERA、東洋経済オンライン、TRANSIT、ラティーナ、カモメの本棚、独立メディア塾ほか多数の媒体で記事を執筆。
2015年にキューバの現地の様子や魅力を伝える「キューバ倶楽部」をスタート、旅の情報交換や勉強会、講演会などのイベントも運営。
★キューバのエッセンスを生活に取り入れる日々をnote(https://note.com/makizoo)に綴る。
★Twitter: @cubaclub98 ★ Instagram: @cubaclub98
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