ともに過ごした人たちと~キューバ写真展「Buena Vista」

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キューバの人びとの暮らしに入り込んで旅をしたリョウさん(撮影:YAJ)

雀卓を囲むようにして、ドミノに興じる中高年。昼寝の時間、教室の窓ごしに微笑む小学生の女の子。話のとちゅうで、得意そうに親指を立てる男性……。

日常生活のなかで、ふと浮かび上がる、人びとの表情をとらえた作品から、キューバの空気がありのままに伝わってくる。 大学の医学部を1年間休学し、世界各地を巡った2014年11月、現地に2週間滞在して撮影した、宮崎遼さんのキューバ写真展、「Buena Vista」が東京・築地のイタリア料理レストラン、Bar Mogutaco's で6月8日まで開かれている。 

「旅の途中で映画『モーターサイクル・ダイアリー』を観て、チェ・ゲバラやキューバに興味がわきました」(宮崎さん)

2014年から1年間で29カ国訪ね、印象的だったキューバの旅(撮影:YAJ)

キューバに行って人の写真が増えた

サッカー好き。14年のブラジルワールドカップを観戦するため、まず南米に飛んだ。中米グアテマラで3週間スペイン学校に通い、現地の人と話して会話力をつけてから、中南米各地を旅した。 

学生時代、たびたび旅に出かけ、コンパクトデジタルカメラで景色を撮りためていた。しかし、見たままの風景と何かが違う。一眼レフを買い求め、撮り方を研究した。

「旅の始めは景色をよく撮っていましたが、キューバに行ったころから人の写真が増えました」(宮崎さん) 

作品には、人なつっこいキューバの人たちが、無防備な表情で登場する。人との距離が近い。その秘密は宮崎さんならではの時間の過ごし方にあるようだ。 

ハバナから西へ約150キロ離れたプエルト・エスペランサを訪ね、街を歩いていると、年配の男性たちがアイスをおごってくれたり、釣った魚をくれたりした。ドミノをする人たちを眺めたり、家のロッキングチェアで他愛もない話をしたり。地元の人と、日常をともに過ごすのが好きだった。

フレンドリーなBar Mogutaco's の店長、由布子さん(撮影:YAJ)

何事も「ローリスク・ハイリターン」で挑戦

「自分から話しかけたり、声をかけてきた人と時間を過ごしたりすることにためらいがないんです。人生で何かをやってみるときは、『ローリスク・ハイリターン』(失うより得るものが大きい)と考えます。体裁を整えなくても、たとえ何も持っていなくても、助けてくれる人がいるから、私たちは生きていける。この旅でそのことを実感できました」(宮崎さん) 

これまでも、たびたび写真展を開いてきたのは、人とのつながりの豊かさを旅で感じたから。作品を見てもらうだけではなく、「人に会える場所」をつくりたい。いろいろな人と話をしたり、来る人たち同士で輪が広がったり。 

キューバになじみがない人にも、写真を通じて「面白いところだな」と思ってもらえたらという思いで選んだ、20点が壁を彩る。 

 

◇宮崎遼さん プロフィール 
1988年仙台市出身。医師。旅先で出あう街、人、風景に惹かれ、現在までに60カ国を訪れる。「まだまだ行きたいところだらけです」。写真展の期間中、お店にいるときは、Instagram:r_miya1988で発信することも。 

◇キューバ写真展「Buena Vista」 
日時:2019年5月10日(金)~6月8日(土)(日曜日、月曜日を除く) 
入場料:無料 (開催場所がレストランのため、メニューから1オーダーお願いいたします) 
場所: Bar Mogutaco's (東京都中央区築地7丁目9-19) Instagram: mogutaco
日比谷線「築地」駅 徒歩5分 有楽町線「新富町」駅 徒歩8分 
<営業時間> 火~金曜日 ランチ:11:30~14:00(13:30L.O) デリ&ディナー:17:30~23:00 (22:00L.O) 土曜日 12:30~22:00(21:00L.O) 
◆展示作品のポストカードも1枚150円で販売中
◆写真展の期間中、6月1日までの土曜日はキューバ風チキンライス、キューバ風仔牛のステーキ、キューバンサンドイッチなど、特別料理メニューも提供予定

Author Profile

斉藤 真紀子
斉藤 真紀子
日本経済新聞米州総局(ニューヨーク)金融記者、朝日新聞出版「AERA English」編集、週刊誌「AERA」専属記者を経てフリー。共著に「お客様はぬいぐるみ」(飛鳥新社)。趣味はラテン音楽&ダンス、カポエイラ(格闘技)
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