
ハバナのマーケット
(撮影:斉藤真紀子)
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
キューバを旅して日本に帰ってくると、逆カルチャーショックを体験することがよくあります。
目に映る景色は灰色がかっていて、人はうつむいて不安そう。誰かと目が合ってにこっとしても、つい知らない人に話しかけようとしても、誰も何も反応しない。まるで私は透明人間のよう。
およそ2~3日で、この怖い感じはなくなりますが、なぜ毎回こうなってしまうのか。キューバで色彩豊かな景色や車やファッションに目を見開き、音楽やリズムに反応し、現地の人たちの体当たりのジョークに笑いすぎたからかな、などと考えます。
昨年は世界が予想だにしなかった状況になり、今やら、先やらに不安がおそってきました。
そこで、はっとしました。色鮮やかでエネルギッシュで心を豊かに表現するキューバの魅力を伝えたいといいながら、キューバらしさも何もないモノトーンな生活を、私自身が送っているということを。
それからは、どんな心の持ちようで、「キューバにいたときのような」楽しい感じになるのか、考えてみるようになりました。
今年はキューバの通貨制度や様々な制度の変化があり、人びとの生活も大きく変わりそうです。加えて、米国の新政権がキューバへの経済制裁をどうするのかにも注目が集まります。
こうしたキューバの今をとらえつつ、キューバらしいライフスタイルのエッセンスとは何かについても、みなさんといっしょに考えていけたらと思います。
2021年元旦
キューバ倶楽部 斉藤真紀子
Author Profile

- 日本経済新聞米州総局(ニューヨーク)金融記者、朝日新聞出版「AERA English」編集、週刊誌「AERA」専属記者を経てフリー。共著に「お客様はぬいぐるみ」(飛鳥新社)。趣味はラテン音楽&ダンス、カポエイラ(格闘技)
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