【キューバ倶楽部創刊号】究極の「エコカー」が走る街

LinkedIn にシェア
LINEで送る
Pocket

キューバのクラシックカー

キューバのクラシックカー

キューバに降り立つと、テーマパークに迷い込んでしまったような心持ちになります。朽ち果ててはいるものの、美しいコロニアル調の建物の間を、色とりどりのクラシックカーが走り抜けていく街の風景はまさにタイムトリップ。

物資不足に悩むこの国では、1959年のキューバ革命前から走っているクラシックカーが修理を重ね、乗合タクシーとして、市民の重要な交通手段の役割を果たしています。  

エコカーといえば、燃費や二酸化炭素排出量に配慮した車と思っていましたが、それはともかく、「車はこんなに長く乗れるものなのだ」という目からうろこの発見。これこそ究極のエコカーではないかと思ったのでした。  

街を縦横無尽に駆け抜けるクラシックカーは、ルートや料金システム(キューバは現地通貨と外国人用の通貨の二重通貨制を採用)があるので、よほどスペイン語ができて地理に詳しくなければ、観光客が乗りこなすのは難しい。

ということで、現地で知り合った人に試しに乗せてもらいました。座席は革が破れてスポンジがはみ出しているし、縦に横に揺れるし、排気音がうるさいし。決して乗り心地がいいとはいえない。それなのに、運転手はカーレーサーのようにスピード出し放題、DJのようにサルサの音楽をボリュームいっぱいに鳴らしていて、ジェットコースター並みに興奮してしまいました。  

ここ2年ほどで自営業が緩和されたため、クラシックカーをきれいに塗装して、観光客向けに市内観光ツアーをする運転手たちも街に現れました。料金は30CUC(約30米ドル、3100ぐらい)ほどで、オープンカーで1時間、景色もさることながら、みんなの注目を浴び、ハリウッド女優のようなセレブ気分を味わえます。  

観光客も乗りやすくなった究極のエコカー。ひと目ぼれしてしまいそうな、すてきなクラシックカーがたくさん街を走っていて、飽きることがありません。

Author Profile

斉藤 真紀子
斉藤 真紀子
キューバ倶楽部編集長、ライター。ニューヨークでサルサのレッスンを受けたのをきっかけに、2000年に初めて訪れたキューバが心のふるさとに。
旅をするたびもっと知りたくなるキューバを訪れ、AERA、東洋経済オンライン、TRANSIT、ラティーナ、カモメの本棚、独立メディア塾ほか多数の媒体で記事を執筆。
2015年にキューバの現地の様子や魅力を伝える「キューバ倶楽部」をスタート、旅の情報交換や勉強会、講演会などのイベントも運営。
★キューバのエッセンスを生活に取り入れる日々をnote(https://note.com/makizoo)に綴る。
★Twitter: @cubaclub98 ★ Instagram: @cubaclub98
LinkedIn にシェア
LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です